倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

シミュレーション技法

n次元単位球面上・単位球体内の一様分布

単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていくシリーズ(目次)& 倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 前回列挙した、一般次元での単位球体内・球面上の一様分布を任意の次元に拡張してみます。球面上の一様分布は帰納的な定義(2次元低い一様分布を使…

単位球体内と単位球面上の一様分布

単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていくシリーズ(目次) & 倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 今回は、今まで出てきた公式をまとめておきます。 ついでに単位球面上の一様分布 (uniform distribution on the unit sphere) も見ていきます。 こ…

単位球体内の一様分布 : 4次元

単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていくシリーズ(目次)& 倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 今回は4次元。 3次元までの単位球体内(通常の円盤内、球体内)の一様分布はその生成方法はよく知られていますが、4次元以上では通常使われる極座標…

単位球体内の一様分布 : 3次元

単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていくシリーズ(目次)。 今回は3次元。 やることは2次元の場合と同じ。 ちなみに3次元の単位球体は普通の「球」です。極座標3次元の極座標は以下のように与えられるのでした: 単位球内での積分は以下のようになり…

単位球体内の一様分布 : 2次元

今回から何度かに渡り、いくつかの次元における単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていきます。 単位球面上の一様分布を得るには、半径 r を1にするだけで OK です。 今回は2次元。 2次元の単位球体は単に「円」(内部を含む)です。目次 2次元 3次元 4…

ルンゲ=クッタ法を導く (6) : 4次の場合

ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)。 今回は4次のルンゲ=クッタ法。 「問題設定」の の場合。満たすべき関係式満たすべき関係式は ここで です。(1) ~ (3) 式s = 3 の場合と同様にして、(1) 式より (2) 式より (3) 式より (4) 式: の3…

ルンゲ=クッタ法を導く (5) : 3次の場合

ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)。 今回は3次のルンゲ=クッタ法。 「問題設定」の の場合。満たすべき条件式満たすべき条件式は ただし (1) 式: の0階微分の条件式 s = 2 の場合と同様にして (2) 式:k の1階微分の条件式これも s = …

ルンゲ=クッタ法を導く (4) : 2次の場合

ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)今回は2次のルンゲ=クッタ法。 「問題設定」の の場合。条件式満たすべき条件式は ただし です。(1) 式: の0階微分の条件式 の定義式 (3), (4) より なので、(1) 式に代入すると よって、以下の関係が…

ルンゲ=クッタ法を導く (3) : 1次の場合

ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)。 前回得られた「問題設定」を の場合で具体的にやってみましょう。 これは「オイラー法」になるはずです。条件式満たすべき条件式は となります。係数を定める第1式を第2式に代入して を消去すると …

ルンゲ=クッタ法を導く (2) : 問題設定

ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)。 今回は「 次のルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法 」の表式(ここで扱う形)の紹介と、前回の「高次テイラー法」を踏まえたルンゲ=クッタ法の導出のための問題設定をします。 具体的な導出は次回以降(…

ルンゲ=クッタ法を導く (1) : 準備としての高次テイラー法

次回に、イマイチ導出が謎な『ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta)法』*1を導いてみます。 今回はそれを行うのに必要な準備として、高次テイラー法を簡単に導出します*2。目次 準備としての高次テイラー法 問題設定 1次の場合 2次の場合 3次の場合 4次の場合 微分方…

放射性崩壊の法則に従う系に対する2次の精度のアルゴリズム

放射性崩壊の法則 \begin{align*} \frac{dN(t)}{dt} &= -\lambda N(t) & \cdots (1) \end{align*} \( t \) : 時間 \( N \) : 核の個数 \( \lambda \) : 崩壊定数 に従う系に対して、数値計算法を2次の精度で行う方法を導きます。 数値計算法の精度が \( n …

2.2 オイラーのアルゴリズム

ニュートン力学以来、物理法則の多くは微分方程式の形で記述されてきました。 したがって、多くの場合の物理シミュレーションが「微分方程式に従って物理系の状態を遷移させていき、各ステップで物理量を計算して出力する」というのものになっています*1。 …