倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

高校数学

三角関数の n 倍角の公式を導く ~正弦編~

前回、余弦の 倍角の公式を導きましたが、基本的には同じ方法で正弦の 倍角の公式も導けます。 ただ、正弦の場合は が偶数か奇数かによって結構式が異なるので少々面倒です。 とは言え、タイトルに「導く」と付けてるので結果だけ書くのはまずいでしょうから…

三角関数の n 倍角の公式を導く ~余弦編~

前回はド・モアブルの公式を使って三角関数の 倍角の公式を導きましたが、そこで導いた公式では が混在した式になっていました。 今回は別の方法で もしくは にもう少し統一された公式を導きます。 できうる限り を用いるかもしくは を用いるかで公式にいく…

オイラーの公式とド・モアブルの公式と三角関数の n 倍角の公式と

数年前に高校数学で複素数で学ぶことが拡充され(というか復活して)ド・モアブルの公式(ド・モアブルの定理)をやるようになりましたが、この公式はオイラーの公式を知ってると簡単に理解できます(むしろオイラーの公式に触れない方が不自然)。 この記事…

正接関数 tanθ の高階導関数

Twitter の TL 上に をどんどん微分していくツイートが流れてたのだが、こんな感じにやればいいんじゃないかという方法があるので書いてみます。準備 の微分は高校数学でやりますね(数学IIIなのでやらない人もいるかな)。 また、後で使うこんな公式も数学I…

不定積分と偶関数・奇関数

高校数学では、定積分については偶関数・奇関数に対する便利な公式がありますね。 をそれぞれ偶関数、奇関数とする、つまり以下が成り立つとします: このとき、 を中点とする区間での定積分に対して次の公式が成り立ちます( は正の定数): 不定積分さて、…

回転体の表面積をこのように計算してはいけない

ちょっと Twitter の TL である回転体の体積と面積の話を見かけたのですが、(あまりその TL での話の本筋とは関係はない)回転体の表面積の計算方法でちょっと気になったので確認記事を書き書き。高校数学(数学III)で、回転体の体積を積分で求める公式を…

指数法則と指数関数では底に課される制限が違うよ

ちょっと高校の頃にはあやふやだったなぁという回顧のエントリ。 指数法則や指数関数を考えるときに、底にどのような制限がつくかを整理してみます。 この記事中では、特に断らない限り自然数に0を含めます。1以上の自然数の指数 を実数、 を1以上の自然数と…

高校数学で線型代数入門 (2) ~行列の演算~

高校数学で線型代数(というか行列)をやってみようシリーズ(目次)。 前回はベクトル(座標)の変換から行列を導入しましたが、今回はその行列に対して定義される和や積などの演算を見ていきます。この記事の内容 この記事の内容 参考 合成変換と行列の積 …

グラフの回転を軌跡で理解する

数年前から高校数学で行列をやらなくなってグラフの回転ができなくなるなぁと思ってたんだけど*1、軌跡の問題だと思えば(言い張れば)今の高校数学の範囲内でグラフの回転を行うことができそうなので、実際にやってみます。 この記事内では回転は原点の周り…

グラフの平行移動を軌跡で理解する

数学Iで頂点が原点でない2次関数をやる際にグラフの平行移動をやりますが、どんなグラフに対しても使える平行移動の仕方はきちんとやろうとすると数学IIで習う軌跡を使った説明が必要かと思います(必ずしも軌跡を使わなければいけないというわけではなく、…

正六面体(立方体)の計量

今回は正六面体(立方体)の表面積や体積など。 5つの正多面体の中で一番簡単。 粛々といきましょう。 幾何学的対象の個数等 隣り合う2つの面のなす角 表面積・体積 内接球・辺に接する球・外接球の半径 一辺の長さを とし、以下のように頂点に名前を付けて…

正四面体の計量

目的は正十二面体、正二十面体の体積を求めることなんですが、ちょっと準備運動として正四面体、正六面体(立方体)、正八面体の体積等を求めていきす。 幾何学的対象の個数等 隣り合う2つの面のなす角 表面積 体積 内接球・辺に接する球・外接球の半径 一辺…

正多角形の内接円の半径

前回、一辺の長さが の正多角形の面積を求めました。 そのとき、ついでに重心と頂点との交点との距離 も求めましたが、これはこの正多角形の外接円の半径ともなってました。 今回は同じ正多角形の内接円の半径 を求めます*1。方法その1上図より、直角三角形 …

正多角形の面積

正多角形の面積を求めます。 高校数学の問題集に載ってるレベルの問題です。正 角形の1辺の長さを 、重心(正 角形の外心と一致する) O と頂点の距離を (これは外接円の半径でもある)とします: 図中の点 A, B は正 角形の隣り合う頂点、点 M は辺 AB の…

36°の三角比

ちょっと後日使うので36°の三角比の値を求めてみます。 高校数学レベルの問題。 ここでは正五角形を使って図形的に求める幾何学的方法と、36°が満たす三角方程式を解く代数的方法代を見ていきます。幾何学的方法1辺の長さが1の正五角形を考えます。 対角線の…

オイラーの公式を高校数学に役立てる ~和積・積和の公式編~

以前の記事「オイラーの公式と三角関数の加法定理」でオイラーの公式 から三角関数の加法定理や倍角、三倍角の公式を導きましたが、同様にして積和の公式、和積の公式も導けるのでやってみます。積和の公式まずは和積の公式。 これは三角関数の積を和に変換…

漸化式の解法あれこれ : a_{n+1} = a_n + f(n)

初項と漸化式が で与えられる数列 の一般項を得る方法を見ていきましょう。 ただし は の何らかの関数です。解法数列 の階差数列を とします: このとき漸化式より となり、階差数列の一般項は分かりました。 ここで、以前導いた、階差数列から元の数列を求…

とある級数の双対性について -ちょっと細かい一般化-

前回の記事で、以下のような級数の双対性を導きました: この双対性をちょっこっと一般化してみます。 説明のため、この級数を と置きましょう: このとき、級数の双対性は と書けます。その1まずは を整数(ただし )として以下のような形の級数について、…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (12) : 双曲線関数の積分

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 前回の微分に続き、今回は双曲線関数の積分を見ていきます。 微分の場合と同様に、基本は指数関数の積分 です。 なお、積分定数は省略します。 は常に正なので、最後の行では絶対値を落としてます。 公式まと…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (11) : 双曲線関数の微分

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 そろそろ数学IIIの範囲に入っていきましょう。 実質的に微分を行う関数は指数関数のみです。 双曲線関数は指数関数によって以下のように定義されているのでした: この定義式を微分していきます。 虚数単位が…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (10) : 双曲線関数 tanh の加法定理 再考

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 以前に双曲線関数の加法定理を導きましたが、 の加法定理は積和の公式を使うと別の形にまとめることができます。 三角関数の場合と同様にして これまた三角関数の場合と同様に、 の置き換えをして負の引数の公…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (9) : 双曲線関数の和積の公式

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は双曲線関数の和積の公式を見ていきます。 和積の公式は前回導いた積和の公式を逆に解いただけの公式です。 双曲線関数の場合も三角関数の場合と同様です。 積和の公式 に対して三角関数の場合に導入した…

あれ、部分分数に分解して計算する級数って、もうちょっとキチンと解かないといけなくない?

高校数学の数列に出てくる以下のような級数(和)の計算を考えましょう: この級数を計算するには、各項が以下のように部分分数分解できることを使います: これを用いて Sn は以下のように計算するのでした: さて、この計算で和を書き下した2行目は複数の…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (8) : 双曲線関数の積和の公式

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は双曲線関数の積和の公式を見ていきます。 積和の公式とは、双曲線関数の積( など)を和( など)で表す公式です。 元になっているのはやはり以前導いた加法定理です。 双曲線関数の積和の公式も三角関…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (7) : 双曲線関数の合成

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は双曲線関数の合成を見ていきます。 三角関数の場合と同様、合成で使うのはやはり加法定理です。 加法定理を最初に学習したときは、それを使って展開もしくは分解のようなことを行いますが、合成は逆に複…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (6) : 双曲線関数の三倍角の公式

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は双曲線関数の三倍角の公式を見ていきます。 双曲線関数の三倍角の公式も三角関数の場合と導き方は同様です。正弦 余弦 正接 三角関数の三倍角の公式と、純虚数の引数を使った方が簡単に導けるかも。公式…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (5) : 双曲線関数の半角の公式

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 前回の倍角の公式に続いて、今回は半角の公式を見ていきます。 双曲線関数の半角の公式も、導き方は三角関数の場合とほとんど同じで、使う公式はやはり の倍角の公式です。 まずは の半角の公式を導きましょう…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (4) : 双曲線関数の倍角の公式

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は加法定理からすぐに導ける倍角の公式を導きます。 双曲線関数は引数が角度じゃないので“倍角”と言っていいのかわからないけど、面倒なので“倍角”の公式で通します。 次回以降の記事も同様。 双曲線関数…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (3) : 双曲線関数の加法定理

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は三角関数でも双曲線関数でも重要な定理である加法定理を見ていきます。三角関数の場合はこちら。双曲線関数の加法定理では、三角関数の加法定理を踏まえて双曲線関数の加法定理を導いてみましょう。 指…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (2) : 負の引数、純虚数の引数

双曲線関数の公式を見ていくシリーズ(目次)。 今回は双曲線関数が負の引数、純虚数の引数の場合にどうなるかを見ていきます。 もう少し正確に言うと、引数が ( は虚数単位)である場合の関数値を、引数が の場合の関数値で表そうということです。 ちなみに…

もしも高校で双曲線関数をやったなら (1) : 双曲線関数の定義と相互関係

今回から何回かにわたって双曲線関数 (hyperbolic functions) を見ていきます。 双曲線関数の定義と相互関係 負の引数、純虚数の引数 双曲線関数の加法定理 双曲線関数の倍角の公式 双曲線関数の半角の公式 双曲線関数の三倍角の公式 双曲線関数の合成 双曲…

三角関数の公式を復習する (12) : 三角関数の積分

今回は三角関数の積分(目次)。正弦 微分の逆と思えば結果が になるのはすぐ分かりますが、一応、定義から計算してみました。余弦 正弦の積分の場合と同様、結果が になるのは微分の場合から分かってますけど。正接 正接の積分は置換積分の簡単な演習問題。…

三角関数の公式を復習する (11) : 三角関数の微分

今回から数学IIIに突入。 今回は三角関数の微分(目次)。 この記事では微分の定義に立ち返らず、指数関数を使って微分公式を導いていきます。 三角関数はオイラーの公式によって以下のように指数関数と関連づけられているのでした: この表式を用いて三角関…

三角関数の公式を復習する (10) : 正接の加法定理

今回は、以前導いた正接 () の加法定理とは別の表式を導いてみます(目次)。 あんまり高校ではやりませんかね。 分母分子に を掛けて積和の公式を使ってます。 またこの式で の置き換えをして、負の引数の公式を用いると となります。 特殊函数 (岩波 数学…

三角関数の公式を復習する (9) : 三角関数の和積の公式

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三角関数の和積の公式。 和積の公式は前回の積和の公式とは逆に、2つの三角関数の積を2つの三角関数の和で表す公式です。 公式の導き方は、単に積和の公式を逆に解くだけです。 積和の公式は4つありました…

三角関数の公式を復習する (8) : 三角関数の積和の公式

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は積和の公式。 積和の公式とは、2つの三角関数の積を2つの三角関数の和に変換する公式です。 これもやはり三角関数の加法定理から導きます。 三角関数の加法定理は以下のようになってました: 積和の公式は…

三角関数の公式を復習する (7) : 三角関数の合成

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三角関数の合成を見ていきます。 三角関数の合成は加法定理を今までと逆に使うというのがミソ。 使いどころを認識しておくのも大切です。 合成を実行する式は と の1次式です: 合成の大まかな手順は でく…

三角関数の公式を復習する (6) : 三倍角の公式

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三倍角の公式。 三倍角の公式の導出方法は倍角の公式の場合とだいたい同じです。 下線部を付けているのは、以前に導いた三角関数の相互関係、倍角の公式を使用している箇所です。正弦 余弦 正接 まとめる…

三角関数の公式を復習する (5) : 半角の公式

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三角関数の半角の公式を導きます。 三角関数で半角の公式を導くには、余弦の倍角の公式を使います。 まずは正弦の半角の公式を導きましょう。 余弦の倍角の公式で を使った表式 を について解いて の置き…

三角関数の公式を復習する (4) : 倍角の公式

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は倍角の公式。 倍角の公式の導出は、前回導いた加法定理で とすればいいだけです: まとめると オイラーの公式がわかる (ブルーバックス)作者: 原岡喜重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/06/21メディア…

三角関数の公式を復習する (3) : 三角関数の加法定理

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は大事な大事な三角関数の加法定理を導きます。 複素数の性質を使えば の表式を同時に導けますが、そのうちやるつもりの双曲線関数に対してはこの方法を使えません。 したがって、少々助長な感じがしますが…

三角関数の公式を復習する (2) : 負の引数、純虚数の引数

三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三角関数で引数が負や純虚数である場合を考えます。負の引数まずは負の引数の場合。 よって、 は奇関数、 は偶関数です。高校では出てこない三角関数たちもやっておきましょう。 上記の3つの結果を使えば…

三角関数の公式を復習する (1) : 三角関数の定義と相互関係

今回から何回かに渡って、高校数学で出てくる三角関数の公式をオイラーの公式を使って定義・導出していきます。 三角関数の定義と相互関係 負の引数、純虚数の引数 三角関数の加法定理 倍角の公式 半角の公式 三倍角の公式 三角関数の合成 三角関数の積和の…

x^n - 1 の因数分解

高校数学にも出てきてそうな の因数分解について少々。 係数は整数の範囲で。 ガロア理論知ってる人には常識っぽい話かもしれませんが。因数 とりあえず任意の について なので、因数定理より は を因数に持ちますね。 この因数でくくると となります。 後の…

漸化式の解法あれこれ : a_{n+1} = p a_n + q

今回は以下の形の初項、漸化式で定義される数列の一般項を求めます: は定数とします。 漸化式の問題の基本中の基本ですね。 の場合まずは の場合。 このときは特性方程式の解 を使って等比数列を構成し、一般項を求めます。特性方程式漸化式で をともに と…

オイラーの公式を高校数学に役立てる ~積分編~

以前の記事でオイラーの公式 を使って三角関数の加法定理に関連する公式を導きました。 今回はこのオイラーの公式を用いて、三角関数と指数関数を含む積分を求める方法を見ていきます。 今回見ていく積分は以下の形のもの: 正弦を余弦に変えたものも同じ方…

点と直線の距離の公式を導く ~ベクトルを用いる方法~

今回は点と直線の距離を、ベクトルを用いた方法で導いてみます(目次)。 この方法は簡単に3次元(以上)に拡張できるので秀逸です。公式の確認点と直線の距離の公式はこんなのでした: 点 と直線 との距離 は で与えられる。 では導出を。導出点 から直線 …

点と直線の距離の公式を導く ~もしかしたら暗算で出せる方法~

前回、点と直線の距離を真面目に導出しましたが、忘れたときに導出するのがちょっと手間。 ということで、今回は同じ公式をもう少し手短に(簡単かどうかは人による)導出する方法を(目次)。 まぁ、点と直線の距離の公式を忘れたらこの導出方法も覚えてな…

点と直線の距離の公式を導く ~初等的方法~

高校数学で、導出に手間がかかるので覚えておかないとテストとかでどうしようもなくなる公式の筆頭候補が点と直線の距離の公式です。 まぁ、手間が少々かかるというだけで、導こうと思って導けない公式ではないので、実際に導いてみましょう。導き方にはいく…

階差数列と級数

階差数列 sequence of differences 階差数列の定義数列の隣り合う2項の差を数列とみなしたものを階差数列といいます。 数列 の階差数列を とすると、 は を用いて と表されます。階差数列から元の数列を求める階差数列を初項から第 項まで加えると のとき、 …