倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

2次元

シュレディンガー方程式を解こう ~2次元中心力ポテンシャル~

シュレディンガー方程式を解こうシリーズ(目次)。 今回は2次元での中心力ポテンシャル系、つまりポテンシャルが動径 にのみ依存する系を考えます。中心力ポテンシャルを とおくと、シュレディンガー方程式は となります。 「ラプラシアンの極座標表示 : 2…

2次元の Laplace - Runge - Lenz ベクトル

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は、ケプラー問題でエネルギーや角運動量以外に保存される Laplace - Runge - Lenz ベクトル(以下、ラプラス・ベクトル)の2次元版を見ていきます。『ケプラー問題のある保存ベクト…

2次元のケプラー問題(斥力の場合)

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 数回の記事で、万有引力を念頭に、逆2乗法則の引力の場合に2次元のケプラー問題の運動や軌跡を解きました。 今回は斥力の場合に運動や軌跡がどうなるかを見ていきます。 万有引力には斥力…

2次元のケプラー問題 ~双曲線軌道の場合~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回はケプラー問題で の場合の運動を求めます。 このときの質点の軌跡は双曲線となります。動径方向の運動『2次元のケプラー問題』より、動径 と時刻 との関係は以下で与えられるのでし…

2次元のケプラー問題 ~楕円軌道の場合~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は『2次元のケプラー問題』記事の続きで、 の場合を行います。 このとき、離心率 は となり、楕円軌道となります。動径方向の運動『2次元のケプラー問題』より、動径 と時刻 は で関…

2次元のケプラー問題 ~放物線軌道の場合~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回はケプラー問題で の場合の質点の運動を求めます。 この場合の軌道は放物線になります。放物線軌道の方程式『2次元のケプラー問題の軌跡』より、放物線軌道の方程式は で与えられます…

2次元のケプラー問題

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は以前に見た中心力ポテンシャルの問題を解く方法で、力が逆2乗法則に従うケプラー問題を解いてみます。運動方程式を解く手順として、まず座標等を時間の関数として求め、その後時間…

2次元のケプラー問題の軌跡

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は『中心力ポテンシャル中での質点の軌跡 ~2次元~』の方法を使って、ケプラー問題の軌跡を求めてみましょう。この記事の内容 この記事の内容 参考 ケプラー問題のポテンシャル 積分…

2次元調和振動子の軌跡

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は、『中心力ポテンシャル中での質点の軌跡 ~2次元~』の内容を調和振動子に対して適用して、調和振動子の軌跡を求めて見ます。ポテンシャル調和振動子のポテンシャルは、ばね定数を…

中心力ポテンシャル中での質点の軌跡 ~2次元~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回は、2次元において中心力ポテンシャル中で運動する質点の描く軌跡を求める方法を見ていきます。『中心力ポテンシャル中での質点の運動方程式 ~2次元~』で、中心力ポテンシャル中で…

2次元の調和振動子

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 以前の記事で1次元の調和振動子の運動方程式を解きましたが、今回は2次元の調和振動子を解きます。 直交座標と極座標でそれぞれ解いてみます。この記事の内容 この記事の内容 2次元調和振…

中心力ポテンシャル中での質点の運動方程式 ~2次元~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 前回、ラグランジアン形式と正準形式の運動方程式を極座標で表しましたが、今回は特にポテンシャル が中心力ポテンシャルの場合を考えます。【この記事の内容】 ラグランジアンとハミルト…

運動方程式の極座標表示 ~2次元~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 前回はニュートン力学での2次元の運動方程式を極座標表示しましたが、今回はラグランジュ形式と正準形式(ハミルトン形式)での運動方程式を極座標で表します。ラグランジュ形式ポテンシ…

ニュートンの運動方程式の極座標表示 ~2次元~

古典力学のいろいろな系で運動方程式を解いていくシリーズ(目次)。 今回はニュートンの運動方程式の極座標表示を導いてみます。 ラグランジアン形式や正準形式の方がラクだったかと思いますが、ついでにやろうと思ったら意外と記事が長くなったのでこれら…

正多角形の内接円の半径

前回、一辺の長さが の正多角形の面積を求めました。 そのとき、ついでに重心と頂点との交点との距離 も求めましたが、これはこの正多角形の外接円の半径ともなってました。 今回は同じ正多角形の内接円の半径 を求めます*1。方法その1上図より、直角三角形 …

正多角形の面積

正多角形の面積を求めます。 高校数学の問題集に載ってるレベルの問題です。正 角形の1辺の長さを 、重心(正 角形の外心と一致する) O と頂点の距離を (これは外接円の半径でもある)とします: 図中の点 A, B は正 角形の隣り合う頂点、点 M は辺 AB の…

2次元ベクトルの分解

任意の2次元ベクトルをいくつかの基底(正規直交基底、、直交基底、斜交基底?)に分解する公式を導いてみます。 正規直交基底への分解 直交基底への分解 任意の2つのベクトルへの分解(斜交座標系) 基底ベクトル 任意のベクトルの分解 が直交するときは・…

2次元で「平行移動 + 回転 = 回転」も示しておくよ

前回に「回転の後に平行移動を施すと、別の点の周りの回転になる」ことを示しました。 今回は先に平行移動して、その後に回転を施した場合にも、別の点の周りの回転になることを示します。 また、その回転の中心も求めます。「平行移動 + 回転 = 回転」の証…

2次元で「回転 + 平行移動 = 回転」は容易に分かる?

『統計物理学 下 第3版』の「第13章 結晶の対称性」を読んでいて「ん?」と思ったんだけど、3次元の結晶に関して ある角度だけの回転とそれに続く回転軸に垂直な方向への平行移動は、容易にわかるように、最初の軸に平行な他の軸のまわりの同じ角度だけの単…

単位球体内と単位球面上の一様分布

単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていくシリーズ(目次) & 倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 今回は、今まで出てきた公式をまとめておきます。 ついでに単位球面上の一様分布 (uniform distribution on the unit sphere) も見ていきます。 こ…

単位球体内の一様分布 : 2次元

今回から何度かに渡り、いくつかの次元における単位球体内の一様分布を生成する方法を見ていきます。 単位球面上の一様分布を得るには、半径 r を1にするだけで OK です。 今回は2次元。 2次元の単位球体は単に「円」(内部を含む)です。目次 2次元 3次元 4…

偶数次元の倭式極座標

倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 以前の記事『極座標のヤコビ行列とヤコビアン : n次元』で n 次元極座標というものを導入しましたが、4次元以上の高次空間になると極座標の導入の仕方にもある程度任意性が出てきます*1(この世界が3次元空間である…

ラプラシアンの極座標表示〜計量テンソル編〜 : 2次元

ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 今回からは計量テンソルを用いてラプラシアンの極座標表示を計算してみます。 今回は2次元。計量テンソル (metric tensor) が分かっているとき、ラプラシアンは ただし によって計算できます(wikipedia…

ラプラシアンの極座標表示 : 2次元 再考

ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 3次元のラプラシアンの極座標表示を求めようと地道に計算してみましたが ▷ ちょっと上の次元に計算を移す気がしないので、もう少し簡単に計算できる方法を再考。 リーマン幾何の計量を使った公式を使う…

ラプラシアンの極座標表示 : 2次元

これから何回かにわたって、ラプラシアン (Laplacian) の極座標表示を地道に泥臭く計算していきます。【シリーズ記事目次】 2次元 3次元 2次元 再考 3次元 再考 4次元 n 次元 計量テンソル編 2次元 計量テンソル編 3次元 計量テンソル編 4次元 計量テンソル…

大学数学で求める球の体積:2次元

今回から何回かにわたって、前回までで求めた極座標のヤコビアンを用いて球の体積を計算していきます。目次 2次元 3次元 4次元 n 次元 n次元球の体積をガンマ関数で表す n次元球面の面積 n次元球面の面積とn次元球体の体積をガンマ関数で表す〜エレガント編…

極座標のヤコビ行列とヤコビアン : 2次元

前回までは、(なるべく)高校数学のみを使って球の体積を求めました。 大学以降ではこのような方法ではなく、一端「極座標」(2次元の場合は高校数学の数学 C でやります)に変数変換した後、積分を実行します。 この方法では変数変換の部分(体積がどのよ…

高校数学で求める球の体積 :2次元

(なるべく)高校数学を使って球の体積を求めるシリーズ(目次)。 今回は半径 の2次元球 の体積 を求めます。 は半径 の「円」です。 を 軸に垂直で球の中心から距離 の直線で切ると、半径 の「1次元球」(線分)になり、その「1次元体積」(長さ)は、前回…