読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

高校数学で求める球の体積 :2次元

(なるべく)高校数学を使って球の体積を求めるシリーズ(目次)。 今回は半径 { r } の2次元球 { B_2(r) = \{ (x, y) \in \mathbf{R}^2 | x^2+y^2 \le r^2 \} } の体積

  { \displaystyle V_2(r) = \int_{B_2(r)}dxdy }

を求めます。 { B_2(r) } は半径 { r } の「円」です。

{ B_2(r) }{ x } 軸に垂直で球の中心から距離 { x } の直線で切ると、半径 { \sqrt{r^2-x^2} } の「1次元球」(線分)になり、その「1次元体積」(長さ)は、前回の結果より

  { \displaystyle
  V_1(\sqrt{r^2-x^2}) = 2\sqrt{r^2-x^2}
}

となります。


したがって、{ V_2(r) } は以下のようになります:

  { \displaystyle\begin{align*}
  V_2(r) &= \int_{-r}^r V_1(\sqrt{r^2-x^2}) \; dx \\[2mm]
    &= 2\int_{-r}^r \sqrt{r^2-x^2} \; dx \\[2mm]
    &= 4 \int_0^r \sqrt{r^2 - x^2} \; dx
\end{align*}}

{ x = r\sin\theta } とおいて積分変数を { x } から { \theta } に変換します:

積分測度*1
{ \displaystyle dx = r \cos \theta d\theta }
積分範囲
{ \displaystyle \theta : 0 \rightarrow \frac{\pi}{2} }
被積分関数*2
{ \displaystyle \sqrt{r^2-x^2} = \sqrt{r^2-r^2\sin^2\theta} = r\cos\theta }

したがって

  { \displaystyle\begin{align*}
    V_2(r) &= 4\int_0^{\frac{\pi}{2}} (r\cos\theta) r\cos\theta d\theta \\
        &= 4r^2\int_0^{\frac{\pi}{2}} \cos^2\theta d\theta
\end{align*}}

ここで { \cos\theta } の倍角の公式

  { \displaystyle \cos^2\theta = \frac{1+\cos 2\theta}{2} }

より

  { \displaystyle\begin{align*}
    \int_0^{\frac{\pi}{2}} \cos^2\theta d\theta
        &= \int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{1+\cos 2\theta}{2}d\theta \\[2mm]
        &= \left[\frac{1}{2}\theta + \frac{1}{4}\sin 2\theta\right]_0^{\frac{\pi}{2}} \\[2mm]
        &= \frac{\pi}{4}
\end{align*}}

ってことで、結果をまとめると

  { \displaystyle V_2(r) = \pi r^2 }

単なる円の面積の公式になりました。

*1:単に積分する変数を示した dx や dθ のこと。 英語では「measure」(メジャー)です。

*2:積分される関数のこと。