倭算数理研究所

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n次元球面の面積

大学数学を使って球の体積を求めるシリーズ(目次)。 今回は n 次元球面の面積の表式を導きます。 半径 { r } の n 次元球面を { S_n(r) } とし、その面積を { A_n(r) } とします。 { A_n(r) } は (n+1) 次元球の体積 { V_{n+1}(r) } を半径 { r }微分すれば得られます:

  { \displaystyle\begin{align*}
    A_n(r) = \frac{d}{dr}V_{n+1}(r)
\end{align*}}

n次元球面の面積

以前導いた { V_n(r) } の表式を代入すると次のようになります:

  { \displaystyle\begin{align*}
    A_n(r)
        &= \frac{2\pi^\frac{n+1}{2}r^n}{\Gamma\left(\tfrac{n+1}{2}\right)} \\[4mm]
        &= \begin{cases}
            \dfrac{2\pi^\frac{n+1}{2}r^n}{\left(\frac{n-1}{2}\right)!} & (n {\rm : odd}) \\[4mm]
            \dfrac{2 (2\pi)^\frac{n}{2} r^n}{(n-1)!!} & (n {\rm : even}) \end{cases} \\[4mm]
        &= \begin{cases}
            \dfrac{2 \pi^m r^{2m-1}}{(m - 1)!} & (n = 2m-1) \\[4mm]
            \dfrac{2 (2\pi)^m r^{2m}}{(2m-1)!!} & (n = 2m)
        \end{cases}
\end{align*}}

具体的な表式

n に具体的な値を代入した表式を幾つか書き下しておきましょう。

  { \displaystyle\begin{align*}
    A_1(r) &= 2 \pi r \\
    A_2(r) &= 4 \pi r^2 \\
    A_3(r) &= 2 \pi^2 r^3\\
    A_4(r) &= \frac{8}{3} \pi^2 r^4 \\
    A_5(r) &= \pi^3 r^5 \\
    A_6(r) &= \frac{16}{15} \pi^3 r^6
\end{align*}}

解析入門 (2)     基礎数学 3

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