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倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

等比級数の公式あれこれ

唐突ですが、以下の和をきちんと計算できるでしょうか?

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (1)\quad&\sum_{k=1}^n r^{k-1} \\[4mm]
    (2)\quad&\sum_{k=1}^n r^k \\[4mm]
    (3)\quad&\sum_{k=1}^{n-1} r^{k-1} \\[4mm]
    (4)\quad&\sum_{k=1}^{n-1} r^k
\end{align*}
}

ただし、

  • r ≠ 1
  • (1), (3) ではさらに { r \ne 0 } *1
  • (3), (4) ではさらに { n \ge 2 } *2

とします。 それぞれどこが違うかわかりますよね? これらはどれも等比級数等比数列の和)になっています。

等比級数の公式

一応復習として、等比級数の公式を書き下しておきます。 初項 { a }、公比 { r }等比数列の第 n 項までの和は以下で与えられるのでした:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    a + ar + ar^2 + \cdots + ar^{n-1}
        &= \sum_{k=1}^n ar^{k-1} \\
        &= \begin{cases}
            \dfrac{a(1-r^n)}{1-r} & (r \ne 1) \\
            na & (r = 1)
    \end{cases}
\end{align*}
}

この記事では { r = 1 } の場合は扱いませんが、念のため書いておきました。

(1)

(1)の和は

  { \displaystyle
\begin{align*}
   \sum_{k=1}^n r^{k-1} = 1 + r + r^2 + \cdots + r^{n-1}
\end{align*}
}

より初項1、公比 { r } の等比級数です。 したがって、等比級数の公式より、

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \sum_{k=1}^n r^{k-1} = \frac{1-r^n}{1-r}
\end{align*}
}

となります。 この和が他の和の基本になります。

(2)

(2)の和を書き下して変形すると

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \sum_{k=1}^n r^k &= r + r^2 + r^3 + \cdots + r^n \\
        &= r(1 + r + r^2 + \cdots + r^{n-1}) \\
        &= r\sum_{k=1}^n r^{k-1}
\end{align*}
}

となり(和を書き下さず変形できる方が望ましい)、ここで(1)の和を使うと

  { \displaystyle
\begin{align*}
   \sum_{k=1}^n r^k = \frac{r(1-r^n)}{1-r}
\end{align*}
}

という結果を得ます。 初項 { r }、公比 { r } の等比級数と思ってもいいですね。

(3)

(3)の和は、(1)の和で { n \rightarrow n-1 } の置き換えをすれば OK です:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \sum_{k=1}^{n-1} r^{k-1}
        &= 1 + r + r^2 + \cdots + r^{n-2} \\
        &= \frac{1-r^{n-1}}{1-r}
\end{align*}
}

(4)

同様に、(4)の和は(2)の和で { n \rightarrow n-1 } の置き換えをすれば計算できます:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \sum_{k=1}^{n-1} r^k
        &=  r + r^2 + r^3 + \cdots + r^{n-1} \\
        &= \frac{r(1-r^{n-1})}{1-r}
\end{align*}
}

結果のまとめ

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (1)\quad&\sum_{k=1}^n r^{k-1} = \frac{1-r^n}{1-r} \\[4mm]
    (2)\quad&\sum_{k=1}^n r^k = \frac{r(1-r^n)}{1-r} \\[4mm]
    (3)\quad&\sum_{k=1}^{n-1} r^{k-1} = \frac{1-r^{n-1}}{1-r} \\[4mm]
    (4)\quad&\sum_{k=1}^{n-1} r^k = \frac{r(1-r^{n-1})}{1-r}
\end{align*}
}

とりあえず、困ったら (1) の基本形に無理矢理合わせてやりましょう。

*1:級数の第1項が {0^0 } になるのを防ぐため。

*2:1項以上の和にするため。