前回は放射性原子核が1種類しかない単一核種の場合を解きました。 今回は、ある放射性原子核が崩壊してできた原子核がまた放射性崩壊をする場合を考えます。
最初の種類の原子核の個数を 、崩壊によってできる放射性原子核の個数を とし、同様にそれぞれの崩壊定数を とします。 このとき、 の満たす微分方程式は以下のようになります:
これらの微分方程式を解く際の初期条件は とします。
を解く
(1) の微分方程式は単一核種の場合と同じなので簡単に解けて、初期条件 のもとでは
を得ます。
を解く
(3) 式を (2) 式に代入すると が満たす微分方程式が得られます:
を
の形で求めましょう。 ここで
- は の関数
- は定数
です。
が満たす微分方程式
(5) 式を で微分すると
なので、(4) 式の微分方程式より
よって
ととると、 の満たす微分方程式は
となります。
を求める
の満たす微分方程式は簡単に解けて、
となります。 ただし は定数。
を求める
(5) 式より は
となります。 ここで初期条件 を課すと
を得ます。 の表式を に代入すると、結局
となります。
結果
以上をまとめると、結果は以下のようになります:特に、 のとき、つまり最初2種目の原子核がないときは
となります。
- 作者: ハーベイゴールド,ジャントボチニク,Harvey Gould,Jan Tobochnik,鈴木増雄,石川正勝,溜渕継博,宮島佐介
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