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倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

階差数列と級数

高校数学 数列

階差数列 sequence of differences { d_n }

階差数列の定義
数列の隣り合う2項の差を数列とみなしたものを階差数列といいます。 数列 { a_n } の階差数列を { d_n } とすると、{ d_n }{ a_n } を用いて

  { \displaystyle
\begin{align*}
    d_n = a_{n+1} - a_n
\end{align*}
}

と表されます。

階差数列から元の数列を求める
階差数列を初項から第 { n }項まで加えると

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \sum_{k=1}^n d_k
        &= (a_2 - a_1) + (a_3 - a_2) + (a_4 - a_3) + \cdots + (a_{n+1} - a_n) \\
        &= (\not{a_2} - a_1) + (\not{a_3} - \not{a_2}) + (\not{a_4} - \not{a_3}) + \cdots + (a_{n+1} - \not{a_n}) \\
        &= a_{n+1} - a_1 \\
    \therefore a_{n+1} &= a_1 + \sum_{k=1}^n d_k
\end{align*}
}

{ n \ge 2 } のとき、{ n }{ n - 1 } に置き換えると以下を得ます:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    a_n &= a_1 + \sum_{k=1}^{n-1}d_k & ({\rm for}\quad n\ge 2)
\end{align*}
}

添字が0から始まる場合

  { \displaystyle
\begin{align*}
    a_n &= a_0 + \sum_{k=0}^{n-1}d_k & ({\rm for}\quad n\ge 1)
\end{align*}
}

となります。

級数の定義
数列の各項を加えたものを級数といいます:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    S_n = \sum_{k = 1}^n a_k
\end{align*}
}

級数から元の数列を求める
{ S_n } の定義より、{ n \ge 2 } のとき

  { \displaystyle
\begin{align*}
    S_{n-1} = \sum_{k=1}^{n-1} a_k
\end{align*}
}

よって

  { \displaystyle
\begin{align*}
    S_n \quad &= a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_{n-1} + a_n \\
    -)\quad S_{n-1} &= a_1 + a_2 + a_3 + \cdots + a_{n-1} \\
    \hline
    S_n - S_{n-1} &= a_n
\end{align*}
}

また、{ S_n } の定義より

  { \displaystyle
\begin{align*}
    S_1 = \sum_{k=1}^1a_1 = a_1
\end{align*}
}

まとめると

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \begin{cases}
        a_1 = S_1 \\
        a_n = S_n - S_{n-1} & ({\rm for}\quad n\ge 2)
    \end{cases}
\end{align*}
}

添字が0から始まる場合

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \begin{cases}
        a_0 = S_0 \\
        a_n = S_n - S_{n-1} &({\rm for}\quad n\ge 1)
    \end{cases}
\end{align*}
}

となります。

まとめ

上記で出てきた4つの公式

  • 階差数列の定義
  • 階差数列から元の数列を求める公式
  • 級数の定義
  • 級数から元の数列を求める公式

をまとめると以下のようになります:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    \begin{array}{ccccc}
        &{\displaystyle \left(a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} d_k \quad(n\ge 2)\right)}
        &
        &{\displaystyle \left(S_n = \sum_{k=1}^n a_k\right)}
        & \\
        &\Longrightarrow
        &
        &\Longrightarrow
        & \\ d_n 
        &
        & a_n
        &
        & S_n \\
        &\Longleftarrow
        &
        &\Longleftarrow& \\
        &{\displaystyle \left(d_n = a_{n+1} - a_n\right)}
        &
        &{\displaystyle \left(\begin{cases}a_1 = S_1 \\ a_n = S_n - S_{n-1}
        & (n\ge 2)\end{cases}\right)}
        &
    \end{array}
\end{align*}
}

「階差をとる」という操作と「初項から第n項までの和をとる」という操作は大雑把に言って逆の操作になります。 階差数列から元の数列を得るためには和をとり、級数から元の数列を得るためには階差をとります。 ただし、階差数列から元の数列を得る際には初項から第{ n-1 } 項までの和をとり、級数から元の数列を得る際には第 { n } 項から第 { n-1 } 項を引く、など添字がずれているのに注意。

また、公式中に{ n-1 } が含まれている場合は、{ n } が1をとることが許されない(添字が1から始まる場合)ので、常に { n \ge 2 } という制限が付きます。