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倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

とある高校数学の3元3次恒等式

公式

この記事では、以下の3元3次恒等式を証明します。

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 - 3xyz = (x + y + z)(x^2 + y^2 + z^2 - xy - yz - zx)
\end{align*}
}

以前の記事では、右辺を展開することで示しましたが、ここでは左辺を因数分解していきます。

証明

準備
まず準備として、2元3次式の恒等式を1つ証明しましょう。 次のような公式です:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 &= (x + y)^3 - 3xy(x + y) & \cdots (*)
\end{align*}
}

これは3乗の和を変形する式です。 証明は和の3乗の展開式

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (x + y)^3 = x^3 + 3x^2y + 3xy^2 + y^3
\end{align*}
}

を変形して

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (x + y)^3 = x^3 + y^3 + 3xy(x + y)
\end{align*}
}

とし、最後の項を移行すれば完了です:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 = (x + y)^3 - 3xy(x + y)
\end{align*}
}

証明の流れ
では問題の恒等式の証明に取りかかりましょう。 流れは、左辺

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 - 3xyz
\end{align*}
}

を変形して右辺になることを示します。

(*) 式を適用(1回目)

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 -3xyz
        &= (x + y)^3 - 3xy(x + y) + z^3 - 3xyz \\
        &= (x + y)^3 + z^3 - 3xy(x + y + z) & \cdots (1)
\end{align*}
}

最後の式では、和の順番を変えて、3乗になっていない項 { -3xy } でくくっています。

(*) 式を適用(2回目)
(*) 式で { x } の代わりに { x + y,\, y } の代わりに { z } を使うと

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (x + y)^3 + z^3 = (x + y + z)^3 - 3(x + y)z(x + y + z)
\end{align*}
}

となります。 これを (1) 式に適応すると

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 -3xyz &= (x + y + z)^3 - 3(x + y)z(x + y + z) - 3xy(x + y + z) &\cdots (2)
\end{align*}
}

{ (x + y + z) } でくくる
(2) 式では全ての項に因子 { (x + y + z) } があるので、これでくくりましょう:

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 -3xyz
        &= (x + y + z)\left\{(x + y + z)^2 - 3(x + y)z - 3xy \right\} \\
        &= (x + y + z)\left\{(x + y + z)^2 - 3(xy + yz + zx)\right\} & \cdots(3)
\end{align*}
}

2次の因子を整理
3元2次の恒等式

  { \displaystyle
\begin{align*}
    (x + y + z)^2 = x^2 + y^2 + z^2 - 2(xy + yz + zx)
\end{align*}
}

を用いて (3) 式の2次の項を整理すると

  { \displaystyle
\begin{align*}
    x^3 + y^3 + z^3 -3xyz = (x + y + z)(x^2 + y^2 + z^2 - xy - yz - zx)
\end{align*}
}

を得ます。