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倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

正多角形の内接円の半径

前回、一辺の長さが  { a } の正多角形の面積を求めました。 そのとき、ついでに重心と頂点との交点との距離  { R } も求めましたが、これはこの正多角形の外接円の半径ともなってました。 今回は同じ正多角形の内接円の半径  { r } を求めます*1

方法その1

f:id:waman:20150912092719p:plain

上図より、直角三角形 OAM に注目して

  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \textrm{AM} \cot\frac{\pi}{n} \\
    &= \frac{a}{2\tan\frac{\pi}{n}}
\end{align*}
}

終了。 ちなみに同じようにして外接円の半径  { R } と内接円の半径  { r } との関係も簡単に導けて、

  { \displaystyle r = R \cos \frac{\pi}{n} }

を得ます。

  { \displaystyle
  r = \frac{a}{2\tan\frac{\pi}{n}} = R\cos\frac{\pi}{n}
}

方法その2

内接円が多角形の全ての辺に接している場合、面積と各辺の長さから内接円の半径を導く方法もよく使われます。 前回、面積を求めたのでこの方法でもやってみましょう。 一辺の長さが  { a } の正  { n } 角形の面積を  { S_n } とすると、

  { \displaystyle S_n = \frac{na^2}{4\tan\frac{\pi}{n}} }

となるのでした。 一方、正  { n } 角形は、上図の△OAB と合同な  { n } 枚の三角形に分割できるので、 { S_n } は内接円の半径  { r } を使って

  { \displaystyle S_n = \frac{n}{2}ar }

とも表すことができます。 これらが等しいとして

  { \displaystyle
\begin{align*}
  \frac{n}{2}ar = \frac{na^2}{4\tan\frac{\pi}{n}} \\
  r = \frac{a}{2\tan\frac{\pi}{n}}
\end{align*}
}

となって、先ほどと同じ結果が得られました。

 { r } { R } の具体的な値

それではいくつかの  { n } の値について  { r } { R } { a } で表しておきましょう( { R } については前回やりましたが  { r } との対比のため再掲します)。

正三角形 ( { n=3 })
  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \frac{1}{2\sqrt{3}}a = \frac{\sqrt{3}}{6}a \\[2mm]
  R &= \frac{\sqrt{3}}{3}a \qquad
  \left(r = \frac{1}{2}R\right)
\end{align*}
}

正三角形では  { R + r } は中線の長さ  { \frac{\sqrt{3}}{2} } に等しい、とかも成り立ってます。

正方形 ( { n=4 })
  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \frac{1}{2}a \\[2mm]
  R &= \frac{1}{\sqrt{2}}a \qquad
  \left(r = \frac{1}{\sqrt{2}}R\right)
\end{align*}
}

 { r } は一辺の長さの半分、 { R } は対角線の長さの半分ですね。

正五角形 ( { n=5 })
以前の記事「36°の三角比」で求めたように、

  { \displaystyle
  \tan\frac{\pi}{5} = \sqrt{5 - 2\sqrt{5}} \qquad \cos\frac{\pi}{5} = \frac{\sqrt{5} + 1}{4}
}

なので

  { \displaystyle r = \frac{1}{2\sqrt{5 - 2\sqrt{5}}} a = \frac{\sqrt{25 - 10\sqrt{5}}}{10} a }

また

  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \frac{\sqrt{5} + 1}{4} R \\[2mm]
  R &= \frac{4}{\sqrt{5} + 1} r
      = \frac{4}{(\sqrt{5} +1)}\cdot \frac{1}{2\sqrt{5 - 2\sqrt{5}}} a
      = \frac{2}{\sqrt{(6 + 2\sqrt{5})(5 - 2\sqrt{5})}} a \\
     &= \frac{2}{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}a
\end{align*}
}

となります。 

正六角形 ( { n=6 })
  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \frac{\sqrt{3}}{2}a \\[2mm]
  R &= a \qquad
  \left(r = \frac{\sqrt{3}}{2}R\right)
\end{align*}
}

外接円の半径  { R } と一辺の長さ  { a } は等しいですね。

八角形 ( { n=8 })
前回求めたように { \tan\frac{\pi}{8} = \sqrt{2}-1 } なので

  { \displaystyle r = \frac{1}{2(\sqrt{2}-1)}a = \frac{\sqrt{2}+1}{2}a }

となります。 また、公式  { 1+\tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta} } より

  { \displaystyle \cos\frac{\pi}{8} = \frac{\sqrt{2+\sqrt{2}}}{2} }

なので(ちょっと平方根の計算が込み入りますが)

  { \displaystyle
\begin{align*}
  r &= \frac{2}{\sqrt{2 + \sqrt{2}}} R = \sqrt{4 - 2\sqrt{2}} R \\[2mm]
  R &= \frac{\sqrt{4 - 2\sqrt{2}}}{2(\sqrt{2}-1)} a
      = \frac{\sqrt{2}\sqrt{2 - \sqrt{2}}}{2(\sqrt{2}-1)} a 
      = \frac{\sqrt{2 - \sqrt{2}}}{\sqrt{2}(\sqrt{2} - 1)} a
      = \frac{\sqrt{2 - \sqrt{2}}}{2 - \sqrt{2}} a \\
     &= \frac{1}{\sqrt{2 - \sqrt{2}}}a
\end{align*}
}

となります。

数学ガールの秘密ノート/丸い三角関数

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*1:前回の記事では重心と頂点の距離を  { r } と書いてましたが、 { R } に修正しました。