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倭算数理研究所

科学・数学・学習関連の記事を、「倭マン日記」とは別に書いていくのだ!

『Quantum Computing: A Gentle Introduction』の演習問題を解く A.1

Quantum Computing: A Gentle Introduction (Scientific and Engineering Computation) (English Edition)

Quantum Computing: A Gentle Introduction (Scientific and Engineering Computation) (English Edition)

目次はこちら

Exercise A.1. Show that an independent joint distribution is the tensor product of its marginals.

 { A,\,B } を有限集合とし、 { a \in A,\,b \in B } とします。

結合分布の独立  { A \times B } 上の結合分布(joint distribution 同時分布)  { \mu(a,\,b) } が独立である (independent, uncorrelated) とは、それぞれ  { A,\,B } 上の確率分布である2つの関数  { f,\,g } ( { f \in \textbf{R}^A,\,g \in \textbf{R}^B }) が存在して  { \mu = f \otimes g } 、もしくは

  { \displaystyle\begin{align*}
  \mu(a,\,b) = (f \otimes g)(a,\,b) = f(a)g(b)
\end{align*}}

と書けることです。  { f,\,g } はそれぞれ  { A,\,B } 上の確率分布なので

  { \displaystyle\begin{align*}
  \sum_{a \in A}f(a) = 1 \qquad \sum_{b \in B} g(b) = 1
\end{align*}}

を満たします。

周辺分布 結合分布  { \mu(a,\,b) } の周辺分布 (marginal distribution) は以下で定義されます:

  { \displaystyle\begin{align*}
  \mu_A(a) = \sum_{b \in B} \mu(a,\,b) \qquad \mu_B(b) = \sum_{a \in A} \mu(a,\,b)
\end{align*}}

特に  { \mu(a,\,b) } が独立な場合(関数  { f,\,g } を上記で定義された関数として)、

  { \displaystyle\begin{align*}
  \mu_A(a)
    &= \sum_{b \in B} \mu(a,\,b) \\
    &= \sum_{b \in B} f(a)g(b) \\
    &= f(a) \sum_{b \in B} g(b) \\
    &= f(a) \\[2mm]
  \mu_B(b) &= g(b)
\end{align*}}

となります。

周辺分布のテンソル では問題の証明をしましょう。 前節で得られた、独立な結合分布に関する周辺分布  { \mu_A,\,\mu_B }テンソル積を計算すると

  { \displaystyle\begin{align*}
  (\mu_A \otimes \mu_B)(a,\,b)
    &= \mu_A(a)\mu_B(b) \\
    &= f(a)g(b) \\
    &= \mu(a,\,b)
\end{align*}}

つまり、 { \mu = \mu_A \otimes \mu_B } となり、独立な結合分布はその周辺分布のテンソル積であることが示せました。