ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 3次元のラプラシアンの極座標表示を求めようと地道に計算してみましたが ▷ ちょっと上の次元に計算を移す気がしないので、もう少し簡単に計算できる方法を再考。 リーマン幾何の計量を使った公式を使うというのも1つの手ですが*1、とりあえずは、ちょっと泥臭いけどもう少しシステマチィックな計算方法を試してみます。
極座標の基底
以下のような、極座標の正規直交基底を考えましょう:
後で使うために、これらの基底の(極座標での)微分を計算しておきます:
成分表示を使えば簡単ですね。
微分演算子
さて、ラプラシアン は微分演算子(ナブラ) を使って
と表されますが、以前導いた結果より(微分演算子の行列表示)、 を極座標と上で導入した極座標の正規直交基底を使うと
と表すことができます。 この演算子の2乗(内積)を以下で計算しましょう。
r 微分の項
ちょっと(クドいほど)丁寧に計算してみましょう:
内積や基底の微分によって、結構たくさんの項が消えてスッキリします。
微分の項
微分の計算も 微分と同じように計算できます:
ラプラシアン
以上をまとめると
となり、以前の結果が導けました。 おぉ! ちょっとエレガント。
*1:そのうちやりたいと思ってますが。