ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 今回からは計量テンソルを用いてラプラシアンの極座標表示を計算してみます。 今回は2次元。
計量テンソル (metric tensor) が分かっているとき、ラプラシアンは
ただし
によって計算できます(wikipedia:ラプラス作用素)。 さらに、直交基底を扱う場合はもう少し簡単化できます。 もし計量テンソルが
のように表されるとすると(極座標の場合はこのようにできます)、ラプラシアンの表式に現れている因子はそれぞれ
となるので、ラプラシアンは以下のように表すことができます:
この公式を使ってラプラシアンの極座標表示を計算してみます。 今回は2次元。
2次元極座標でのラプラシアン
2次元極座標は
と定義されてました。
計量テンソル
まずは2次元極座標の計量テンソルを求めましょう。 上記の極座標の定義より
であるから
これと
を見比べると(計量が対称として)
が得られます。 ちなみに、直交基底の場合は を使わずにラプラシアンを計算できますが、これも簡単に分かって
となります。
ラプラシアン
上記の計量テンソルを用いてラプラシアンに現れている因子を計算すると
となるので
となり、以前の結果が得られました。