ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 今回は計量テンソルを用いてラプラシアンの極座標表示を求める方法を、4次元に対して行ってみます。
4次元極座標
4次元極座標は次のように定められてるのでした:
計量を計算するために、位置ベクトル を導入しておきます:
極座標の直交基底
4次元でも、計算の補助として4次元極座標の正規直交基底を導入しましょう。 以下のように正規直交基底を取ります:
各基底ベクトルの長さが1であることや、互いに直交していることは計算を頑張れば確かめられると思います。 位置ベクトル の微分はこれらの基底ベクトルを用いて以下のように表せます:
計量テンソル
連鎖律を用いると、変位ベクトル(位置ベクトルの微分) は上記の基底ベクトルを用いて
となり、その2乗(自身との内積)は以下のようになります:
が得られます(成分が0の部分は省略)。 したがって
ラプラシアン
以上の結果を用いて4次元極座標のラプラシアンを計算しましょう。 以前の記事で書いた結果を使うと、 を用いて4次元のラプラシアンは以下のように表すことができます:
ここに、上記で得られた の表式を代入して計算すると
よって
となり、以前の結果が得られました。