ラプラシアンの極座標表示を求めるシリーズ(目次)。 今回は、計量テンソルを使ってラプラシアンの極座標表示を求める方法をn次元に適用します。
極座標
n次元の極座標は以下のように定義されてました:
計量テンソル
計量テンソルの計算方法は4次元の場合までと同じなので、結果だけ書きます:
ここで
また、これらの より
も得られます。
ラプラシアン
上記の を以前に得たラプラシアンの表式に代入すれば結果は得られますが、ここでは少し丁寧に計算しましょう。 そのために以下のように変数 を導入します(逆に複雑に感じたなら御免なさい):
は にしか依存しません。 また、この を用いて、 は以下のように表されます:
さて、以上を踏まえてラプラシアンの極座標表示を計算しましょう。 計算には、以下の表式( を入れた表式)を使います:
一気に全ての(和の)項を計算すると式が長くなるので、いくつかに分けて計算していきましょう。
の項
まずは の項。 この項はまぁ、特に問題ないかと。
の項
次は の項。
からくる 以外の項は約分されます。 また、 より は 微分の外に出すことができます。
の項
次は の項。 計算は の場合と同じです(別に分けてやる必要もないんですが)。
今度は からくる 以外の項が約分されます。 また、 は定義より に依存しないので、 微分の外に出すことができます。
まとめ
以上の結果をまとめると
ただし
となり、以前の結果が得られました。 思ったより手間取りましたが、計量使わずに計算するのに比べればはるかに簡単に出せました。