例えば、コップに入れられた熱いコーヒーが周囲の温度によって冷まされるような場合、温度の(時間に関する)変化の割合は、その温度と周囲の温度との差に比例します。 これを「ニュートンの冷却の法則 (Newton's law of cooling)」といいます(wikipedia:ニュートンの冷却の法則)。 この法則は経験的な法則で、成り立つための仮定、条件は
- コーヒーと周囲の温度差があまり大きくない
- コーヒーの温度は(空間的に)一様とみなせる
などがあります。 ただし、日常の範囲では充分によく成り立つそうです。
微分方程式
ニュートンの冷却の法則を表す微分方程式は
で表されます。 ここで
- 変数
- は時間、 はコーヒーの温度(時間の関数であることを明示したい場合は と書く)
- 定数
- は周囲 (surroundings) の温度、 は冷却定数
です。 冷却定数 は
- 熱移動の機構
- 周囲との接触面積
- コーヒーの熱的性質
などによって決まる定数です。
解析解
微分方程式 (*) を解析的に解いてみましょう。 初期条件は とします。変数変換 :
とおき、微分方程式 (*) を に付いての微分方程式に書き換えると
となります。 また、初期条件は
となります。
微分方程式の積分
(1) 式より
を得ます。 ここに初期条件 (2) を課すと
よって
変数変換 :
変数を に戻すと
結果
結局、(*) 式の解析解は以下で与えられます:
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