ルンゲ=クッタ (Runge-Kutta) 法を導くシリーズ(目次)。 今回は3次のルンゲ=クッタ法。 「問題設定」の の場合。
満たすべき条件式
満たすべき条件式は
ただし
(1) 式: の0階微分の条件式
s = 2 の場合と同様にして
(2) 式:k の1階微分の条件式
これも s = 2 の場合と同様にして
(3) 式: の2階微分の条件式
の微分
は に依存しないので簡単。
の微分
の場合
ここで
より次式を得ます:
の2階微分
の2階微分は次のようになります:
得られる関係式
上記で得られた関係を (3) 式に代入して整理すると
したがって次式が得られます:
が満たすべき関係式
が満たすべき関係式をまとめると
となります。
の値
上記の関係式は、文字が5つで式が4つなので、完全には文字の値が決まりません。 なので、文字1つを適当に決めてやる必要があります。 ただ、任意の値でいいわけではないようで、例えば を課すと が実数で求まりません。 ちょっと面倒な(そんなに難しくありませんが)解析をしてやると、 が実数として存在するためには
という条件が満たされている必要があります。 これが充分条件というわけではありませんが、1つの文字の値を決めるのには適度な目安でしょう。
の場合
この場合、各変数の値は
と定まります。 なんとなく、 それぞれの組の数字が綺麗に並んでる気も。 このとき は以下のようになります:
の場合
このとき、各変数の値は次の2通りに決まります:
このとき、それぞれの場合の は
もしくは
となります。 1組目の には直接 が含まれてませんが、 を計算する際に必要になります。 一応、少しは計算量減りまする。
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