三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回から数学IIIに突入。 今回は三角関数の微分。
この記事では、正弦・余弦の微分公式はイラーの公式を使って導きます。 それら以外の三角関数は(正弦・余弦の微分公式を使って)高校数学の範囲内で導けます。
オイラーの公式を使って正弦・余弦の微分を導く
オイラーの公式より
が成り立っています。 両辺を で微分すると
ここで
よって
実部と虚部を比べると
となります。
別の導出法
ここでは、上記とはちょっと別の方法で正弦・余弦の微分公式を導きます。 また、それらの結果を使って正接とその逆数(余接)の微分公式を導きます。三角関数はオイラーの公式によって以下のように指数関数と関連づけられているのでした:
正弦
虚数単位 が約分されて消えます。 もちろん、前節でオイラーの公式を使って導いた結果と一致します。
余弦
が残りそうでいて、キチンと消えてくれます。 オイラーの公式を使って導いた結果と一致します。
正接
正接の微分は、定義と商の微分から計算できます。
簡単な結果にまとまりますね。
余接
正接 の逆数、余接 の微分公式も正接と同じように導けます:
正接の場合と遂になるような結果ですね。 負符号を忘れ易そうなので注意が必要。
【発展】その他の三角関数
余接の微分公式は導きましたが、残りの正割・余割の微分公式も導いておきましょう。
最後の表式としてはいろいろまとめ方があるかと思います。
まとめ