高校数学の数列に出てくる以下のような級数(和)の計算を考えましょう:
この級数を計算するには、各項が以下のように部分分数分解できることを使います:
これを用いて Sn は以下のように計算するのでした:
さて、この計算で和を書き下した2行目は複数の項があることを前提として書いていますが、もし だと1つしか項がなくて互いに打ち消しあう項なんてないですよね。 それをまとめて書いていいのかなぁ?なんてちょっと気になるんですが、今の場合は で残る項と で残る項が同じ のところから現れているだけなので、まぁ許容範囲でしょう。 別に n=1 のときを場合分けして解く必要なんてないと思います。
では次の例ではどうでしょう?
これも高校でよく出てくる問題ですね。 解法は上記と同じように部分分数分解をします:
で、和も同じような方法で計算できそうです:
一見問題なさそうですが、具体的な の値について級数を書き下してみると、まず のとき
これは問題なし。 次は n=2 のとき
打ち消しあう項はありませんが、残る項が4つで (*) 式とは一致していて、まぁ許容範囲。 そして のとき
えっと、これ (*) 式とは見た目全然違うよなぁ。 のとき (*) 式括弧内の第2項と第3項が打ち消しあって、値としては確かに一致してるんだけど、なんだか腑に落ちないと思うのは拙者だけ? の場合だけ別に計算して、 の場合の式に含まれることを示した方がよくないのかなぁと疑問。 青チャート見たけど特に何も注意書きとか書かれてなかったなぁ*1。 の時も値が一致するのは常識なのかな?
追記 1
上記の場合の のときにも成り立つことのもう少し一般的な証明(の手がかり)を『部分分数に分解して和を計算する級数について -双対性?-』に書きました。追記 2
以下のようにすると場合分けしなくても導けるようです:
おぉ、エレガント! 「+2」ではなく「+3」以上のときも打ち消し合う項を増やせば同様に計算できますね。 こちらを参考にしました。
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*1:黄チャートは4項残る問題載ってなかった。 他のは見てない