この双対性をちょっこっと一般化してみます。 説明のため、この級数を と置きましょう:
このとき、級数の双対性は
と書けます。
その1
まずは を整数(ただし )として以下のような形の級数について、双対性を導いてみましょう:上記の とは添字の数で区別してね。 との関係は
となってます。 では双対性の導出。
導出
まず
とおきましょう。 このとき
は関数 に対する級数です。 ここで双対性を使うと
和のダミーインデックス を に変数変換すると、結局
となります。 よって、 にたいしては以下のような双対性が成り立つことが分かります:
おおまかに言って、整数の区間として と が入れ替えられるというイメージですね。
注
上記の導出を見ると、 が整数でなくても、 が整数なら同じ双対性が成り立ちます。 ただし、右辺の和では が整数でなくなります( を使っていいかどうかは分かりませんが)。 それでも和をとる際には を1ずつ増やしていきます。具体例
上記の双対性を使って、以下級数を計算してみましょう:まずは和の各項を部分分数に分解します:
これと双対性を用いて和を計算すると
以上をまとめると
となります。 さらに具体的にして、たとえば のとき
その2
次はさらにもう少し一般化してという形の級数を考えます。 似たような記号使って申し訳ないけど、やっぱり添字の数で区別してね。 との関係は
となってます。 また、「」は をそれぞれ で割った余りが等しい、もしくは が の整数倍である、という意味です。
導出
より、 を整数として
と書けます。 このとき
ここで
とおくと
に対して双対性を使うと
よって以下の双対性を得ます:
具体例
では、具体例として以下の級数を考えましょう:まずは級数の各項を部分分数分解。
これを用いて、問題の級数は
ここで級数
について、これは で としたものなので、上記で導いた双対性を用いて
よって
を得ます。
ストリング理論 第1巻 (World Physics Selection)
- 作者: ジョセフ・ポルチンスキー,伊藤克司
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/06/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
ストリング理論 第2巻 (World Physics Selection)
- 作者: ジョセフ・ポルチンスキー,伊藤克司
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2012/07/17
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る