倭式極座標を見ていくシリーズ(目次)。 前回に引き続き、今回は奇数次元の倭式極座標。
シミュレーションなどではなく解析的に用いる場合には、右手系か左手系かを注意しないといけませんが*1、以下の話では無視しています。 3次元の場合は大丈夫なようです。 5次元では、変数の順序を もしくは としないといけなさげですが、あまりキチンと確かめの計算はしてません。
3次元
3次元は以前に紹介した極座標と本質的に同じです。
の定義域に注意。 この極座標での体積要素は
また、半径 の3次元球の体積 は
となって、通常の球の体積の公式が得られました。
5次元
5次元倭式極座標は以下のように定義します:
この極座標での体積要素は以下のようになります:
これを使って5次元球の体積 は以下のように計算できます:
7次元
7次元の倭式極座標は以下のように定義します:
この極座標での体積要素は以下のようになり、
これを用いて7次元球の体積 を計算すると
となります。
次元
偶数次元の場合と同じように、 次元の極座標は 次元の極座標を元に定義します。 新に定義する(角度)変数は の2つ。 偶数次元の場合と同じになるように、別の角度変数 を導入しています。 を 次元での極座標として
と定義します。 偶数次元の場合とほぼ同じです。 の定義域に注意。 は 次元極座標 の中に含まれています。 この極座標での体積要素は
また、 次元球の体積 は
を用いて書き換えると、『大学数学で求める球の体積:n次元』で得られた結果と一致します。
*1:これは偶数次元でも同じです。 チョット勘違いで奇数次元の所だけで言及してましたが。