前回に「回転の後に平行移動を施すと、別の点の周りの回転になる」ことを示しました。 今回は先に平行移動して、その後に回転を施した場合にも、別の点の周りの回転になることを示します。 また、その回転の中心も求めます。
「平行移動 + 回転 = 回転」の証明
前回と同じように同次座標を用います。 その他の記号も前回参照。「平行移動 + 回転」
方向にそれぞれ だけ平行移動する変換を 、原点の周りに角度 だけ回転する変換を とすると、「平行移動 + 回転」の変換は
となります。 前回の「回転 + 平行移動」に比べて3列目がちょっと複雑。
原点以外の点の周りの回転
これは前回やったので結果だけ。 点 の周りに角度 だけ回転する変換は
でした。
これが等価な変換になるためには・・・
回転角は同じになる必要があるのは前回の場合と同じ。 で、3列目が等しくなるためにはこれを についての連立方程式とみて、 を で表してやれば OK。 これはそんなに難しくありませんが、まず、前回同様、点 がどのあたりにあるのかを見てみましょう。 (1) 式より
各式の両辺を自乗して、辺々を加えると
となります。 この方程式で表される点 は、点 と原点に関して対称な点を として、原点と点 から等距離にあることが分かります。 つまり、線分 の垂直二等分線上にあります。 ちなみに、前回の回転の中心は線分 の垂直二等分線上にあるのでした。
さて、(1) 式に戻って、これを について解いて見ましょう。 行列の形で書くと
回転行列 と前回用いた行列 *1 を用いると
両辺に左から をかけると
よって
となります。 これは、線分 の中点を として、 もしくは( より) となる位置に点 があることを示しています。 この説明だけだと、点 は線分 の垂直二等分線上で にとってどちら側にあるのか限定できてませんが(これは前回も同じでしたが。 図でお茶を濁してました)、ちょっと示すのが面倒なので省略します。 とりあえず、「平行移動 + 回転」も別の点の周りの回転で表せる、ということは示せました。
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*1:前回は引数を書いてませんでしたが付け加えました。