任意の2次元ベクトルをいくつかの基底(正規直交基底、、直交基底、斜交基底?)に分解する公式を導いてみます。
正規直交基底への分解
方向の単位ベクトルをそれぞれ とすると、これらは以下を満たします:
このとき、任意のベクトル に対して以下を満たす係数 を求めましょう:
の正規直交性 (1) を用いると
と求まるので、結局
となります。
直交基底への分解
方向の基底ベクトルをそれぞれ とします:
このとき正規直交基底 は
となるので、前節の結果を使うと、任意のベクトル は以下のように分解できます:
結果だけ書くと
となります。
任意の2つのベクトルへの分解(斜交座標系)
上記2つの場合は(敢えて)成分を使わずに計算してみましたが、今の場合は成分を使って計算した方が楽。基底ベクトル
2つの基底ベクトル の成分を以下のように定めましょう:
これらが基底を成すために、互いに平行ではいという条件が必要。 この条件は
と書けます。 ここで少し記法の導入。 2つの2次元縦ベクトル を横に並べて作った2次の正方行列とその行列式をそれぞれ と表しましょう。 つまり とするとき
となります。 このとき が基底をなす(平行でない)という条件は
と書くことができます。
任意のベクトルの分解
任意の分解したいベクトル の成分を以下のようにします:
このとき、 を以下のように係数 を使って分解できたとしましょう:
この を で表せれば OK。 (2) 式を成分で書き下して少し変形すると
左から を掛けて
つまり
を得ます。 分解の係数が得られたので (2) 式に代入し直すと
となります。
が直交するときは・・・
基底ベクトル が直交するときは、上記の表式は前節の「直交基底への分解」の式と等価になるはずですね。 ただし、あまり自明ではないので一応確かめておきましょう。と のなす角を とします。 簡単のため とし、 のとき は に重なるとします。 のなす角は となります。これらの関係と公式
( は のなす角)を用いると
となります。 これを分解の式に代入すると
となって、確かに直交系に分解する公式と同じになります。
まとめ
正規直交基底への分解
直交基底への分解
任意のベクトルの分解
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