ちょっと後日使うので36°の三角比の値を求めてみます。 高校数学レベルの問題。 ここでは正五角形を使って図形的に求める幾何学的方法と、36°が満たす三角方程式を解く代数的方法代を見ていきます。
幾何学的方法
1辺の長さが1の正五角形を考えます。 対角線の長さ(すべて同じ長さ)を として、下図において互いに相似な青と赤の二等辺三角形に着目して
この2次方程式を2次方程式の解の公式を使って解くと、 より
となります*1。
次に下図のような直角三角形に注目すると
底辺の長さは となるので、余弦の定義より
を得ます。 他の三角比の値は次節の代数的方法と同様に導ける(そちらでは正弦から余弦・正接を導いてますが)のでここでは省略。
代数的方法
は以下の についての三角方程式(三角比を含む方程式)を満たします:逆にこの方程式を の範囲で解くと
という10個の解が得られます。 はほとんど自明と言っていい解で、またその他の解の三角比の値は の値が分かれば簡単に得られます。 この2つの角度は第1象限内にあるので、三角比の値が正となります。 よって以下では三角比の値として正のもののみを考えます。
さて、このままでは の三角比の値は分からないので、三角方程式 (*) の左辺を の多項式に変形して*2、それを代数方程式として解いて の値を求めます。 まず左辺の を三角関数の
などを使って(他にも使ってますが)変形すると
よって三角方程式 (*) は
となります。 の場合には興味が無いので、
を解けばよいことになります。 これは の2次方程式なので2次方程式の解の公式で簡単に解けて(正弦の値として正の値のもののみを考えてます)
を得ます。 大小関係を考えれば、複号が - の方が 、+ の方が であることが分かります。 複号それぞれに対応する余弦の値も計算できて(やはり正の値のもののみを考えて)
正接は からも求まりますが、 から求めると複号が混ざらなくていいでしょう。
以上をまとめると
記事タイトル的に度数法で書き換えておくとしましょう。
の公式を使えば他に18°や54°の三角比なども求まりますね。 同じような式(正弦・余弦が入れ替わってるなど)になるので書きませんが。