倭算数理研究所

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正多角形の面積

正多角形の面積を求めます。 高校数学の問題集に載ってるレベルの問題です。

{ n } 角形の1辺の長さを  { a }、重心(正 { n } 角形の外心と一致する) O と頂点の距離を  { R } (これは外接円の半径でもある)とします:

f:id:waman:20150912074016p:plain

図中の点 A, B は正 { n } 角形の隣り合う頂点、点 M は辺 AB の中点です。  { \angle\textrm{AOB} = \frac{2\pi}{n} } となりますね。

 { a } { R } との関係

まずは  { a } { R } の間の関係を求めておきましょう。 △OAM に注目すると

  { \displaystyle \begin{align*}
  \textrm{AM} &= R\sin\frac{\pi}{n} \\
  \therefore \; a &= 2R\sin\frac{\pi}{n} \qquad
  \left(R = \frac{a}{2\sin\frac{\pi}{n}}\right)
\end{align*} }

△OAB の面積

△OAB の面積を { s_n } とおくと、

  { \displaystyle \begin{align*}
  s_n
    &= \frac{1}{2} \cdot \textrm{OA} \cdot \textrm{OB} \cdot \sin \angle\textrm{AOB} \\
    &= \frac{1}{2} R^2 \sin \frac{2\pi}{n}
\end{align*}}

を得ます(普通に AB を底辺、OM を高さとして出しても OK)。 さらに { R } ではなく {a} を使って表すと

  { \displaystyle\begin{align*}
  s_n
    &= \frac{1}{2} \left(\frac{a}{2\sin\frac{\pi}{n}}\right)^2 \sin \frac{2\pi}{n} \\
    &= \frac{1}{2} \frac{a^2}{4\sin^2 \frac{\pi}{n}} \cdot 2\sin\frac{\pi}{n}\cos\frac{\pi}{n} \\
    &= \frac{a^2\cos\frac{\pi}{n}}{4\sin\frac{\pi}{n}} \\
    &= \frac{a^2}{4\tan\frac{\pi}{n}}
\end{align*}}

{ n } 角形の面積

では正 { n } 角形の面積を求めましょう。 この面積を { S_n } とおくと、{ S_n } は先ほど求めた { s_n }{ n } 倍なので

  { \displaystyle \begin{align*}
  S_n
    &= ns_n \\[2mm]
    &= \frac{n}{2} R^2 \sin \frac{2\pi}{n} \\[2mm]
    &= \frac{na^2}{4\tan\frac{\pi}{n}}
\end{align*}}

まとめると

  { \displaystyle \begin{align*}
  S_n
    &= \frac{n}{2} R^2 \sin \frac{2\pi}{n} \\[2mm]
    &= \frac{na^2}{4\tan\frac{\pi}{n}} \qquad
    \left(a = 2R\sin\frac{\pi}{n}\right)
\end{align*}}

となります。

{ S_n } の具体的な値

いくつかの { n } の値について具体的に計算してみましょう。

正三角形 ({ n = 3 })
  { \displaystyle \begin{align*}
  S_3
    &= \frac{3\sqrt{3}}{4} R^2 \\
    &= \frac{\sqrt{3}}{4} a^2 \qquad (a = \sqrt{3}R)
\end{align*}}

1辺の長さが { a } の正三角形の面積は { \frac{1}{2} a^2 \sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{4}a^2 } で、確かに合ってますね。

正方形 ({ n = 4 })
  { \displaystyle \begin{align*}
  S_4
    &= 2 R^2 \\
    &= a^2 \qquad (a = \sqrt{2} R)
\end{align*}}

正方形の面積。 { a } の表式はもちろん OK。 { R } の表式は対角線が { 2R } となることより { \frac{1}{2}(2R)^2  = 2R^2 } となって、これも OK。

正五角形 ({ n = 5 })
以前に計算した「36°の三角比」より

  { \displaystyle\begin{align*}
  \sin \frac{2\pi}{5} = \frac{\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{4} \qquad
  \tan \frac{\pi}{5} = \sqrt{5 - 2\sqrt{5}}
\end{align*}}

なので、{ R } を含む表式は簡単に導けて

  { \displaystyle\begin{align*}
  S_5 = \frac{5\sqrt{10 + 2\sqrt{5}}}{8} R^2
\end{align*}}

また、{ a } を含む表式は

  { \displaystyle \begin{align*}
  S_5
    &= \frac{5a^2}{4\tan \frac{\pi}{5}}
    = \frac{5}{4 \sqrt{5 - 2\sqrt{5}}} a^2
    = \frac{5\sqrt{5 + 2\sqrt{5}}}{4\sqrt{5}} a^2 \\[2mm]
    &= \frac{\sqrt{25 + 10\sqrt{5}}}{4} a^2
\end{align*}}

{ a }{ R } の関係は

  { \displaystyle\begin{align*}
  a = \frac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{2}R
\end{align*}}

となります。

正六角形 ({ n = 6 })

  { \displaystyle \begin{align*}
  S_6
    &= \frac{3\sqrt{3}}{2} R^2 \\
    &= \frac{3\sqrt{3}}{2} a^2 \qquad (a = R)
\end{align*}}

正六角形では { a = R } ですな。 { S_3 }{ a } の表式の6倍。

八角形 ({ n = 8 })
  { \displaystyle \begin{align*}
  S_8 &= 2\sqrt{2} R^2
\end{align*}}

{ a } を用いた表式では  { \tan\frac{\pi}{8} } の値を求めておかないといけませんね。 三角関数の半角の公式より

  { \displaystyle \begin{align*}
  \tan^2 \frac{\pi}{8}
    &= \frac{1-\cos\frac{\pi}{4}}{1 + \cos\frac{\pi}{4}}
    = \frac{1 - \frac{1}{\sqrt{2}}}{1 + \frac{1}{\sqrt{2}}}
    = \frac{\sqrt{2} - 1}{\sqrt{2} + 1} \\
    &= (\sqrt{2} - 1)^2 \\[2mm]
  \tan \frac{\pi}{8}
    &= \sqrt{2} - 1 \qquad (\because \tan\frac{\pi}{8} > 0)
\end{align*}}

よって

  { \displaystyle \begin{align*}
  S_8
    &= \frac{8a^2}{4\tan\frac{\pi}{8}}
    = \frac{2a^2}{\sqrt{2} - 1} \\
    &= 2(\sqrt{2} + 1) a^2
\end{align*}}

となります。 { a }{ R } の間の関係は

  { \displaystyle\begin{align*}
  a = \sqrt{2 - \sqrt{2}} R
\end{align*}}

です。

【追記】

  • { S_8 }{ a } で表した式が間違っていたので修正しました。
  • 中心と頂点の間の距離(外接円の半径)を以前 { r } と書いてましたが、{ R } に変更しました。
  • 正五角形の  { a } { R } の関係式が間違っていたので修正しました。

数学ガール/ガロア理論 (数学ガールシリーズ 5)

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