高校数学では、定積分については偶関数・奇関数に対する便利な公式がありますね。 をそれぞれ偶関数、奇関数とする、つまり以下が成り立つとします:
このとき、 を中点とする区間での定積分に対して次の公式が成り立ちます( は正の定数):
不定積分
さて、では不定積分について、偶関数・奇関数に関連して何か言えることはないか考えてみましょう。 をそれぞれ の原始関数*1とします。 ただし、積分定数は0とします:
このとき、 について
となり、 は奇関数になることが分かります。 同様にして、 について
となり、 は偶関数になることが分かります( については積分定数が0である必要はないですね)。 つまり、積分定数を0としたとき、偶関数、奇関数の原始関数(不定積分)はそれぞれ奇関数、偶関数になることが分かります。
微分
ちなみ、微分についても同じような関係が成り立ちます。 の導関数をそれぞれ としましょう。 は偶関数なので が成り立ちます。 両辺を で微分して
よって は奇関数になります。 同様にして、 に対しては が成り立ち、両辺を で微分すると
となり、 は偶関数になります。 まぁ、グラフを考えれば当たり前ですが。
以上、計算だけなら数秒で終わりそうな話でした。
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