Quantum Computing: A Gentle Introduction (Scientific and Engineering Computation) (English Edition)
- 作者: Eleanor G. Rieffel,Wolfgang H. Polak
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2011/03/04
- メディア: Kindle版
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目次はこちら。
Exercise 2.2. Which pairs of expressions for quantum states represnt the same state? For those pairs that represent different states, describe a measurement for which the probabilities of the two outcomes differ for the two states and give these probabilities.
- a. and
- b. and
- c. and
- d. and
- e. and
- f. and
- g. and
- h. and
- i. and
- j. and
補足
は虚数単位です。 また は以下で定義されます:
はそれぞれ正規直交基底を成します。
方針
小問の状態の各ペアについて、1つ目と2つ目の状態をそれぞれ とおきましょう。異なる状態については、それぞれに対して異なる確率を与える測定を書き下して、それらの確率を計算せよ、とありますが、ここでは常に1つ目の状態 を基底の1つとする測定を考えることにします。 このとき、 は確率1で測定されるので、 の確率を計算するだけでいいですが、これは を計算すれば得られます。 つまり、求める確率を とすると で与えられます。
2つの状態の内積の絶対値が1のとき、これらの状態は同じ状態なので、結局2つの状態の内積を計算すれば、この問題は概ね解けたことになります。 まぁ、問題のいくつかの状態のペアは、見て明らかに同じ状態のものがあるので、これらは軽く流す感じでいきます。
異なる状態の時には測定を書き下せとあるので、1つ目の状態 に直交する状態 も求めておきましょう。 ついでに も求めます。
a
明らかに同じ状態ですね。 大域位相のずれは ()。b
これも同じ状態ですね。 大域位相のずれは 。c
2つの状態を定義済みの状態を使って書くと
ですね。 内積は
よって確率 は
また
d
2つの状態を定義済みの状態を使って書くと
となります。 内積は
よって確率 は0です。 また
まぁ、 は正規直交基底を成してるので当然の結果ですね。
e
これらも同じ状態ですね。 大域位相のずれは 。f
2つの状態を定義済みの状態を使って書くと
となります。 内積は
よって確率 は0です。 また
これも、 が正規直交基底を成してる帰結ですね。
g
を定義済みの状態を使って書くと
となります。 内積は
よって確率 は です。 また
h
を標準の基底で書き表すと
となります。 よって2つは同じ状態です。 大域位相のずれは 。
i
2つの状態を標準の基底で書き表すと
となり、これら2つも同じ状態。 大域位相のずれもなし。