三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 高校数学で三角関数を含む積分をあれこれ計算できるようになるには多少の演習が必要かと思いますが、問題集をやる前に
のような各三角関数の冪乗の積分をある程度できるようになっておいた方がいいでしょう。 この記事では の場合の積分の計算方法を見ていきます。
以下、積分定数は省略しています。
【この記事の内容】
正弦 ・余弦
1次
1次の積分は公式そのままですね。 微分と符号が逆になるのが注意点ですかね。
2次
2次は半角公式(『三角関数の公式を復習する (5) : 半角の公式』参照)を使います。 正弦と余弦で一部の項の符号が異なります。
3次
3次は の形にして置換積分を行います。
4次
4次の積分では2次で行った半角の公式を2度繰り返し使って積分できる形に変形します。
6次以上の偶数次の積分も半角の公式を使って低次の積分に変形していけます。
-1次
-1次の積分は、分母・分子に もしくは を掛けて、3次の積分でやった置換積分の方法に持ち込みます。
-2次
-2次の積分は公式として覚えましょう。
-3次
分母・分子に もしくは をかけて置換積分をするのは -1次と同じですが、部分分数に分解するのがちょっと計算は面倒。
ここで、被積分関数を部分分数に分解すると(やり方はいろいろあるでしょうけど、結果は同じ)
となるので
同様にして
-4次
-4次は余弦の方が分かりやすいので、まずこちらから。
正弦は上記の導出で の代わりに を使えば同じように導けます。
負の偶数乗は同様にして比較的簡単に導けます。
正接
正弦・余弦が同じように積分できたように、正接とその逆数(余接 )は同じように積分できます。1次・-1次
1次・-1次は正弦・余弦で表せば簡単。
2次・-2次
公式 より
同様にして、公式 より
3次・-3次
3次・-3次は少し面倒。
それほどでもなかったかな?
4次・-4次
4次・-4次は他の積分の結果を使えば簡単。
今回扱わなかった積分でも
のような基本的なものはありますが、まぁ今回扱った積分ができれば7割方なんとかなるんじゃないでしょうか。