もう少し三角関数の公式シリーズ(目次)。 三角関数の加法定理は高校数学で主要な公式ですが、これを2度使って3つの角度を加える公式も簡単に導くことができます。 まぁ、高校数学の演習問題レベルで、結果を覚えるほどの公式ではありませんが、3つの角度を等しくおくと三倍角の公式になることに着目すると、それなりに綺麗な形をしていて覚えようと思えば覚えられる公式かと思います(覚えてませんがw)。
ちなみに「3元加法定理」は造語です。 3つの文字(角度)の加法定理くらいの意味です。
正弦・余弦
正弦・余弦についてはオイラーの公式を用いて簡単に導けますが(『オイラーの公式と三角関数の加法定理』参照)、ここでは加法定理を2度使って導いてみましょう:
のとき、当然三倍角の公式(『三角関数の公式を復習する (6) : 三倍角の公式』)になります:
正接・余接
正弦・余弦の公式から、正接・余接の公式は簡単に導けます。 結果はそれぞれ 正接と余接のみで表せます:
のときは
となり、三倍角の公式が得られます。
正割・余割
正割・余割は最終的にどの三角関数で表すかでいろいろな表式があるかと思いますが、ここでは正割は正割と正接、余割は余割と余接で表すことにします:
分母は正接・余接の公式と同じで、分子は3つの積になると思えばそれなりにまとまってる感じでしょうか。 のとき
と正割・余割の三倍角の公式が導かれます。
まとめ