spire という Scala 用の数学ライブラリがあるんですが、そのコードで円周率の値を計算をするために Machin (マチン)の公式というのを使ってたので、その公式が正しいことを計算で確かめてみます。
Machin の公式は
で与えられます。 は逆正接関数で、これは与えられているとします。 ちょっとおどろおどろしい数値が入っていますが、証明はそこまで難しくありません。
準備
この公式の導出で使うのは正接の加法定理だけです。 正接の倍角の公式は加法定理からすぐ導けます:
導出は「三角関数の公式を復習する (3) : 三角関数の加法定理」などを参照。 そう言えば、 も使うかな。
導出
とおくと、Machin の公式を示すには
つまり
を示せばいいことになります。
まず の定義より
なので、正接の倍角の公式より
もう一度倍角の公式を使って
最後の変形では、 の中に 239 という数字があることを念頭に変形してます。
次に、 の定義より
さて、この結果を踏まえて を計算すると
よって Machin の公式が示せました。 なんか、高校数学のちょうどよい演習問題って感じですな。
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