もう少し三角関数の公式シリーズ(目次)。 以前の記事『逆三角関数の導関数』にて逆正接関数・逆余接関数の導関数を計算しましたが、今回はさらにそれらの高階導関数を計算します。
逆正接関数 ・逆余接関数 の導関数は以下で与えられるのでした:
これらの導関数はほぼ同じ形なので、一方の高階導関数を計算すればもう一方も簡単に分かりますが、最終的に用いる関数を別のものにするため、結果は少し違った形になります。
逆余接関数の方が綺麗な形にまとまるので、まずは逆余接関数から。
【この記事の内容】
逆余接関数 の高階導関数
上記の逆余接関数の導関数より
なので を計算しましょう。 を複素数の範囲で部分分数に分解すれば微分を簡単に実行できて
となります。 ここで とおくと
なので
を得ます。 だったので、結局
を得ます。
n が小さい場合に具体的に書き下す
以下、 とします。のとき
のとき
のとき
まぁ、このくらいなら普通に の式のまま微分を計算した方が簡単な気もしますが。
逆正接関数 の高階導関数
逆正接関数の高階導関数は逆余接関数のものに負符号を付ければいいだけですが、 の代わりに を使って表す習わしのようなので、その式を導きます。 前節の途中式から
が成り立っていましたが、前節とは異なり とおくと
となるので
よって
n が小さい場合に具体的に書き下す
以下、 とします。のとき
のとき
のとき
当然のことながら、全て逆余接関数の場合で符号を変えたものになってます。
まとめ
として
- 作者: 森口繁一,一松信,宇田川〓久
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1987/03/13
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (11件) を見る