高校数学では2次方程式の解の公式までしか学習しませんが、3次方程式の解の公式も高校数学の範囲内で導くことができます。 ここでは、解ける形の方程式から順々に一般的な形にしていきます。
の3次方程式 の解
の3次方程式
の解は次式で与えられる:
ただし は1の3乗根のうち実数でないものとします。
証明
以前の記事「とある高校数学の高次恒等式」で証明した因数分解の公式
より、問題の方程式は
となります。 よって、この方程式の解は
の3次方程式 の解
の3次方程式
の解は次式で与えられる:
ただし は1の3乗根のうち実数でないものとします。
証明
前節の結果で
の置き換えをすれば示せます。
の3次方程式 の解
の3次方程式 の解は次式で与えられる:
ただし 。 また は1の3乗根のうち実数でないものとします。
証明
上記の方程式と前節の結果を見比べると
の対応関係があることが分かります。 したがって、これらを逆に解いて を で表せば、前回の結果を用いて問題の方程式の解が得られます。
を で表す
(1)より
となるので、 は の2次方程式
の解であることが分かります。 2次方程式の解の公式より
したがって
方程式の解
前節の結果を用いれば、結局方程式 の解はとなります。 ただし 。
の3次方程式 の解
の3次方程式
の解は次式で与えられる:
ここで
証明
方程式 の両辺を で割ると
ここで以下のように変数を から に変換します:
この変換によって方程式は
となるので
とおけば前節の結果が使えて
となります。 ただし 。