(なるべく)高校数学を使って球の体積を求めるシリーズ(目次)。 今回はn次元球
の体積
を求めます。
の定義と の値
n次元球の体積 は に比例するので、その比例定数を とおきましょう*1:
が n の式として求まれば、 が求まります。 「高校数学で求める球の体積 :1次元」より なので
の漸化式を求める
とします。 を 軸に垂直で球の中心から距離 の「(n-1)次元平面」で切ると、半径 の「(n-1)次元球」になり、その「(n-1)次元体積」は
となります。 したがって、 は以下のようになります:
ここで積分について とおいて積分変数を から に変換すると:
したがって
ここで「とある三角関数の積分公式」で定義した を使いました。 以上をまとめると
一方、 なので、結局 の漸化式は
となります。
の一般項を求める
の初項と漸化式は以下のようになりました:
これを用いて、 の一般項を求めましょう。 のとき
これは のときも成り立ちます。
が奇数の場合
に「とある三角関数の積分公式」で求めた表式を用いると
に注意。 よって
n が偶数の場合
n が奇数の場合と同様にして
よって
ここで なので
の表式
以上の結果をまとめると
ただし
具体的な表式
n に具体的な値を代入した表式を幾つか書き下しておきましょう。
*1: はn次元単位球(半径1のn次元球)の体積と思ってもよい。