特殊関数の公式を証明していくシリーズ(目次)。 前回、一般化された超幾何関数という関数の定義を見ました:
今回は、いろいろな関数がこの一般化された超幾何関数を使って表すことができることを見ていきましょう。
ポッホハマー記号の値あれこれ
まず、後で使うポッホハマー記号と階乗などの関係式を導いておきましょう。 ポッホハマー記号の定義は以下のようなものでした:定義に従って計算すれば、以下が成り立つことが分かります:
また、これらを踏まえて
も成り立ちます。 負の整数の場合の公式も見ておきましょう。 を正の整数として
さらに、 をガンマ関数として
も成り立ちます。 ガンマ関数については「とあるガンマ関数の公式目録」を参照。
の場合の概要
まずは一番簡単そうな の場合から。 ここで扱う関数は指数関数 (exponential function)
の一番簡単な場合は指数関数
q = 1
双曲線関数 (hyperbolic function)
双曲線関数は指数関数の線型結合(「もしも高校で双曲線関数をやったなら (1) : 双曲線関数の定義と相互関係」参照)です:
岩波公式集間違ってるゾ。 というか、思いの外、導出が面倒だな・・・
三角関数 (trigonometric function)
双曲線関数をやったら三角関数は簡単。 引数を虚数にする(「三角関数の公式を復習する (2) : 負の引数、純虚数の引数 」参照)だけやね:
ベッセル関数 (Bessel function)
円柱関数と呼ばれるベッセル関数 も比較的簡単に一般化された超幾何関数を使って書けます。 ちなみにベッセル関数の定義は上記で示したガンマ関数を含む公式を使えば、一般化された超幾何関数を使って書くのはそんなに難しくありません:
特に が整数 のとき
球ベッセル関数 (spherical Bessel function)
球ベッセル関数 もベッセル関数同様に一般化された超幾何関数で書けます。 球ベッセル関数はベッセル関数と以下のような関係にあります:これを使えば、球ベッセル関数を一般化された超幾何関数で書けます。
ここで
より
ベッセル関数と似た形に収まりました。
変形ベッセル関数 (modified Bessel function)
ベッセル関数にとてもよく似た変形ベッセル関数 もやっておきましょう(追記)。 変形ベッセル関数の定義はあんまりベッセル関数の定義と違いが分からないかも知れませんが、級数の中の の因子がなくなっています。 まぁ、ただそれだけ。 一般化された超幾何関数による表示もほとんど同じ:
一般化された超幾何関数の最後に引数に負符号が付かなくなっただけです。
・・・導出がものすごくダルくなってきたので、続きは後日。
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