以前の記事で の高階導関数を の多項式で表したときの係数を、表を使って計算する方法を見ました。 今回はその結果を踏まえて、係数を与える式を導きたいと思います。 ただ、完全に一般的には出せていなくて、一部だけの表式となります。
の最高次の係数
まずは の の最高次の係数。 前回出てきた表で一番右端の数です:n \ m | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | ||||||||
1 | 1 | 1 | |||||||
2 | 2 | 2 | |||||||
3 | 2 | 8 | 6 | ||||||
4 | 16 | 40 | 24 | ||||||
5 | 16 | 136 | 240 | 120 | |||||
6 | 272 | 1232 | 1680 | 720 | |||||
7 | 272 | 3968 | 12096 | 13440 | 5040 |
この数列を ( は表の列番号と同じ)とすると、一般項は簡単に分かって
となります。 の導関数の係数としても表しておきましょう。
とおく、つまり の 階導関数における の係数を とおくと
となります。
の2番目に高次の項
次は少しずらして、以下の部分の数列の一般項を求めます。n \ m | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | ||||||||
1 | 1 | 1 | |||||||
2 | 2 | 2 | |||||||
3 | 2 | 8 | 6 | ||||||
4 | 16 | 40 | 24 | ||||||
5 | 16 | 136 | 240 | 120 | |||||
6 | 272 | 1232 | 1680 | 720 | |||||
7 | 272 | 3968 | 12096 | 13440 | 5040 |
この一般項を とおくと( は表の列番号と同じ)、前回の表の計算方法より以下の漸化式が得られます:
よって、 の初項と漸化式は以下のようになります:
では、この数列の一般項を求めましょう。 漸化式の両辺を で割ると
ここで に対して とおくと、 の初項と漸化式は
となるので、 のとき
ここで、「階乗冪の和の公式」で導いた和の公式
を( として)使うと
となります。 これは のときも成り立ちます。 よって、結果をまとめると
となります。 前節の を表すと
の3番目に高次の項
また少しずらして、以下の数列の一般項を求めましょう。n \ m | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | ||||||||
1 | 1 | 1 | |||||||
2 | 2 | 2 | |||||||
3 | 2 | 8 | 6 | ||||||
4 | 16 | 40 | 24 | ||||||
5 | 16 | 136 | 240 | 120 | |||||
6 | 272 | 1232 | 1680 | 720 | |||||
7 | 272 | 3968 | 12096 | 13440 | 5040 |
この数列を とすると、初項と漸化式は
となります。 ここに前節の の結果を使うと
漸化式をもう少し変形して
ここから前節と同じ手順で の一般項を求めると
となります。 また は
の4番目に高次の項
次は結果だけ。
は
これ以降も同様に計算できますが、一般項を出すのは大変なのでここまで。
【修正】
- などを と表記を変えました。
- 変数を から に変更しました。