これから何回かにわたって、ラプラシアン (Laplacian)
の極座標表示を地道に泥臭く計算していきます。
【シリーズ記事目次】
今回は2次元の場合
2次元のラプラシアンの極座標表示
2次元の極座標は
と定義されてますが(こちらを参照)、今回はこれを逆に解いて、動径 、偏角 を 直交座標の で表した以下の表式を用います:
直交座標の微分を極座標とその微分で表す
まずは直交座標 による微分を、極座標 とその微分で表しましょう。 微分も 微分もほとんど同じ計算なので、 微分の方を少々丁寧に計算します。 連鎖律 (chain rule) より
が成り立つので と の 微分を計算しましょう。 まずは動径 を で微分:
まぁ、なんてことないですね。 次は の 微分*1。 の以下の表式
の両辺を で微分すると
よって
(もしくは逆正接関数 の微分公式『逆三角関数の導関数』を使って
としても同じ結果を得られます)得られた結果をまとめると
となり、 微分を極座標とその微分で表せました。 座標に対しても、同様にして
より
を得ます。 結果をまとめると
ラプラシアンを極座標とその微分で表す
では、上記の結果を用いてラプラシアンを極座標とその微分で表します。
ここで
なので
となります。 同様にして
結果を合わせると