三角関数の公式を復習するシリーズ(目次)。 今回は三角関数の積分。
微分公式の場合と同じように、ここでは正弦・余弦の微分公式はオイラーの公式を使って導いているので高校の範囲を逸脱していますが、結果は公式として覚えておくということでいいでしょう。 それら以外の三角関数の積分公式は(正弦・余弦の積分公式も使って)高校数学の範囲で導けます。
正弦・余弦
正弦・余弦の積分は正弦・余弦の微分公式から簡単に分かりますが、微分公式の場合と同じようにオイラーの公式を使って導いてみます。オイラーの公式で正弦・余弦の積分公式をまとめて導く
オイラーの公式
の両辺を積分すれば
となりますが、左辺の積分を実行すると
となるので
実部と虚部を比べると
を得ます。 きちんと微分公式の逆になっていますね。
正弦・余弦の積分公式を別々に導く
オイラーの公式を使って三角関数を指数関数で表すと
となります。 これを使って正弦・余弦の積分公式を導いて見ましょう。 まずは正弦:
がうまく消えて余弦の式(に負符号を付けたもの)になりますね。 余弦の場合も同様に計算できます:
正接・余接
正接と余接(正接の逆数)の積分は、 で表せば分母の微分が分子になっている形に持ち込めるので、簡単に積分できます。
余接も同じように簡単に積分できます:
【発展】その他の三角関数
正割・余割の積分はもう少し面倒。 分母・分子に もしくは を掛けて、置換積分で有理式の積分に持ち込みます。 まずは正割:
余割も正割と同様に計算できます:
まとめ
積分定数は省略してます。
『高校数学での三角関数の積分の確認』では、ここで示した公式を含めて、いくつかの三角関数の冪の積分を計算しています。